※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。
ラケットを買うときは重さやフェイスサイズをじっくり比べたのに、ガット(ストリング)は「お店のおすすめでお願いします」で決めてしまった——そんな方は少なくありません。
ですが実は、打球感を決めているのはラケットよりもガットです。ボールに直接触れているのはガットであり、同じラケットでもガットを変えれば飛び方も打ち心地もはっきり変わります。しかも数千円で試せるので、ラケットの買い替えよりずっと手軽に「自分好み」に近づけられます。
この記事では、ガット選びで知っておくべき「素材」「太さ」「テンション」の3つを、初めての方にも分かるように整理します。読み終わる頃には、ショップで自分の希望を一言で伝えられるようになっているはずです。
① 素材:まずはこの4種類を押さえる
ガットの素材は大きく4つに分かれます。それぞれ性格がはっきり違います。
ナイロン(モノフィラメント)
芯が1本の構造で、クセがなく扱いやすい万能タイプです。価格も1,500〜3,000円程度と手頃で、最初の1本として最も無難な選択肢になります。
ナイロン(マルチフィラメント)
細い繊維を何百本も束ねた構造で、柔らかくボールを包み込むような打球感が特徴です。腕への負担が少ないため、テニス肘が気になる方やシニアの方に向いています。価格は2,000〜4,000円程度。
ポリエステル
硬くて伸びにくい素材です。振り抜いた力がそのままボールに伝わり、強いスピンと高い耐久性が得られます。プロや上級者の多くが使っていますが、スイングスピードが速くないとボールが飛ばず、腕への負担も大きいのが弱点です。価格は1,500〜3,500円程度。
ナチュラル
牛の腸を原料とした天然素材で、打球感・反発力ともに最高クラスです。ただし5,000〜12,000円と高価で、雨や湿気にも弱いため、初心者の方が最初に選ぶものではありません。
② 初心者がポリエステルを選んではいけない理由
ここは特に強調しておきたいところです。「プロと同じものを使いたい」とポリエステルを選ぶ方がいますが、始めたばかりの段階では逆効果になります。
- ボールが飛ばない——ポリエステルは伸びない素材なので、速いスイングでラケットを走らせないと反発しません。振り切れないうちは「重い」「飛ばない」と感じるだけです
- 腕を痛めやすい——硬い分、衝撃がそのまま肘や手首に伝わります。テニス肘の大きな原因になります
- 性能の劣化が早い——切れていなくても、1か月ほどでテンションが落ちて性能が変わってしまいます
ポリエステルが向いてくるのは、しっかり振り切れるようになり、ボールがアウトするようになってからです。それまではナイロンで十分、というよりナイロンのほうが上達を助けてくれます。
③ 太さ(ゲージ):0.05mmの違いで変わる
ガットの太さはミリ単位で表記され、わずかな差で性格が変わります。
- 1.20〜1.25mm(細め):よく飛び、スピンもかかりやすい。ただし切れやすい
- 1.25〜1.30mm(標準):飛びと耐久性のバランス型。迷ったらここ
- 1.30〜1.35mm(太め):長持ちする。飛びは控えめでコントロール寄り
細いほど性能は上がりますが、その分寿命は短くなります。ガットをよく切ってしまう方は太め、飛びが物足りない方は細め、と考えると分かりやすいです。
④ テンション:数字の意味を理解する
テンションとは、ガットを張るときの引っ張る強さのことで、ポンド(lbs)で表します。ここが最も誤解されやすいポイントです。
- 低め(40〜45ポンド):ガットがたわんでボールを弾き返すためよく飛ぶ。打感も柔らかい
- 標準(45〜50ポンド):バランス型。初心者はここから
- 高め(50〜55ポンド以上):たわみが少なく飛びすぎを抑えられる。コントロール重視
よくある誤解が「強く張ったほうがよく飛ぶ」というものです。実際は逆で、緩く張るほどよく飛びます。トランポリンを思い浮かべると分かりやすく、ピンと張った面より、たわむ面のほうが強く跳ね返すのと同じ理屈です。
つまり、ボールが飛ばずに悩んでいる方はテンションを下げる、アウトが多い方は上げる——これが基本の調整方向になります。
⑤ 結論:初心者はこれをそのまま伝えればいい
ここまでを踏まえた、迷ったときの「正解」がこちらです。
- 素材:ナイロン(モノまたはマルチ)
- 太さ:1.30mm
- テンション:45〜50ポンド
ショップで「ナイロンの1.30mmを、45ポンドでお願いします」と伝えれば、それだけで通じます。ここを基準にして、次の張り替えで「もう少し飛ばしたい」なら2ポンド下げる、「アウトが多い」なら2ポンド上げる、というように少しずつ調整していくのが失敗しない進め方です。
一度に5ポンドも動かすと違いが大きすぎて基準を見失います。調整は1回につき2ポンドまでにしてください。
⑥ 張り替えのタイミングと費用
「切れたら張り替える」と思われがちですが、これは正しくありません。ガットは切れていなくても劣化します。張った直後からテンションは落ち始め、緩んだガットは飛びもコントロールも安定しなくなります。
張り替え頻度の目安
広く知られている考え方に、「週のプレー回数=年間の張り替え回数」という目安があります。週1回打つ方なら年1回、週3回なら年3回、という計算です。
スクールに週1回通っている方であれば、3〜6か月に1度を目安にしてください。
費用の目安
- ガット代:1,500〜4,000円程度(ナイロンの場合)
- 張り工賃:800〜2,500円程度(そのお店でガットを購入した場合)
- 持ち込みの場合:2,200〜3,300円程度と割高になることが多い
合計で1回あたり3,000〜5,000円ほど。年に2〜3回と考えれば、それほど大きな負担ではありません。
⑦ よくある質問
Q. 張り上げ済みのラケットを買いました。すぐ張り替えるべき?
A. すぐには不要です。ただし店頭で長期間陳列されていた場合はすでに緩んでいることがあります。打ってみて「異様に飛ぶ」と感じたら張り替えを検討してください。
Q. ガットの色で性能は変わりますか?
A. 基本的に変わりません。ただし着色の工程で硬さがわずかに変わる場合があり、ナチュラル色(無着色)が最も素直とされます。好きな色を選んで問題ありません。
Q. ハイブリッド(2種類を組み合わせる)とは?
A. 縦糸と横糸に違う素材を張る方法です。縦にポリ、横にナイロンとすることでスピンと打球感を両立させます。上級者向けの手法なので、まずは1種類で基準を作ってからで十分です。
Q. ガットが切れるのは張り方が悪いから?
A. 多くの場合そうではなく、スピンをかけて擦れることによる自然な摩耗です。むしろガットが切れるのは、しっかり振れている証拠とも言えます。
⑧ まとめ
ガット選びで押さえるべきことは、突き詰めると次の4点です。
- 素材——最初はナイロン。ポリエステルは振り切れるようになってから
- 太さ——迷ったら1.30mm
- テンション——45〜50ポンドから始め、調整は2ポンドずつ
- 張り替え——切れていなくても3〜6か月に1度
ラケットは一度買えば数年使いますが、ガットは定期的に替えるものです。だからこそいろいろ試して、自分に合うものを見つけやすいパーツでもあります。次の張り替えのときに、ぜひ一つだけ条件を変えてみてください。その違いが分かるようになると、テニスはもっと面白くなります。
ラケット本体の選び方は「初心者のラケット選び完全ガイド」で詳しく解説しています。あわせて、全国のテニスクラブ検索・レッスン検索から、お住まいの地域の教室を探すこともできます。
ガットとあわせて、ラケットもチェック
PR(広告を含みます)

ガットの相性は、組み合わせるラケットによっても変わります。初心者向けの軽量モデルから黄金スペックまで幅広く揃っているので、買い替えを考えている方は一度見比べてみてください。
※本記事の価格・テンションの数値は一般的な目安です。適切なガットとテンションは体格・スイング・使用するラケットによって変わりますので、張り替えの際は必ずコーチや専門店にご相談ください。
テニスコーチ・クラブ運営者の方へ
テニスマニアでは、レッスンページを1テーマ月額900円(税抜)、テニスクラブの施設ページを月額3,000円(税抜)で掲載しています。「ボレー改善」「サーブ改善」のようにテーマごとにお作りします。ページの作成は無料で、こちらで作ります。

